Introduction
“トウモロコシ畑の子供たち”
シリーズの原点。
実は未公開発覚で製作40周年、
ついに日本初公開。
現代ホラー小説の帝王、スティーヴン・キングの短編小説「トウモロコシ畑の子供たち」を原作とした人気ホラーシリーズ『チルドレン・オブ・ザ・コーン』。
コロナ禍に見舞われながらもリブート作品『スティーヴン・キング エイジ・オブ・パンデミック』(2023)も近年製作されるなどこれまでに約10作品もの関連作が作られ、『ヘルレイザー』や『ハロウィン』にならぶ最長のホラーシリーズ。
記念すべき第一作目である本作『チルドレン・オブ・ザ・コーン』(1984)が日本未公開であるという事が判明。製作から40周年を迎えた今年、満を辞しての4K版『チルドレン・オブ・ザ・コーン<4K>』が日本劇場初公開となる。
物語の舞台はネブラスカ州の小さな田舎町。ある日、一人の少年に突如トウモロコシの神が舞い降り、彼は教祖となった。そして、町の子どもたちが一斉に<大人狩り>を始めた…。子どもが悪魔のように人々を苦しめる映画は多々あるが、本作が恐ろしいのは、そんな「未来ある可愛い」子どもたちが歯止めのきかない、狂信的なカルト集団と化した点だ。トウモロコシ畑の中心で鎌を振り上げ、みなで高らかに殺人決行を宣言するさまは、幼い子どもたちであるがゆえにいっそう異様で絶望的。白昼堂々<大人狩り><親殺し>をおこなう恐ろしさもただごとではなく、あの恐怖のカルト集団マンソン・ファミリーに属した少年少女たちの絶望的な洗脳具合を彷彿とさせる。坊ちゃん刈りに黒スーツ姿の子ども教祖アイザックは、一度見たら忘れられない強烈なホラー・アイコンとして全米で大人気だ。
子どもカルト軍団が支配する町に迷いこむ青年医師バートを好演するのは、近年ではテレビドラマ「グレイズ・アナトミー 恋の解剖学」でディレクター、プロデューサーも務めたピーター・ホートン。バートの恋人ビッキー役には、『ターミネーター』(1984)で大ブレイク直前の初々しいリンダ・ハミルトン。トウモロコシの邪神を崇め、街の子どもたちを洗脳した恐ろしい子ども教祖、アイザック役には『アダムス・ファミリー』(1991)『アダムス・ファミリー2』(1993)で、長髪で姿形が見えないカズン・イット役を演じたジョン・フランクリン。アイザックはフランクリンのあたり役となり、シリーズ六作目の『ザ・チャイルド』(99)にも同役で出演した。また、数々の映画予告や『トゥー・ムーン』(88)や『シティ・オブ・ドッグス』(2006)はじめ映画スコアを手がける名作曲家/音楽プロデューサー、ジョナサン・エリアスの音楽が、子どもたちの不穏な合唱とともに、映画をますます禍々しく盛り上げている。
よそ者を寄せ付けないアメリカの田舎町のたたずまい、何が潜んでいるかもわからないどこまでも続きそうなトウモロコシ畑、独特のSFX、トウモロコシ畑の邪神、そして『ミッドサマー』(2019)のホルガ村も凌駕する、恐怖の<トウモロコシ畑の子どもたち>…。80年代ホラーの魅力たっぷりのショッキング・カルト・ホラー『チルドレン・オブ・ザ・コーン<4K>』ついに、無垢な凶悪が目覚めてしまう時がきた。
Cast
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〈スピリット・イメージ/人格分離〉ピーター・ホートン
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〈ターミネーター〉リンダ・ハミルトン
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〈暴力巨匠ペキンパー作品常連〉H.G.アームストロング
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〈教祖アイザック〉ジョン・フランクリン
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〈手下マラカイ〉コートニー・ゲインズ
Staff
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監督〈マイケル・パレ主演『メタルウィング』(92)〉
〈ジェームズ・スペイダー主演『ハイスクール・ファイター』(85)〉フリッツ・カーシュ -
原作〈シャイニング〉
〈スタンド・バイ・ミー〉スティーヴン・キング -
脚本ジョージ・ゴールドスミス
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撮影ラウール・ローマス
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編集ハリー・ケラミダス
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音楽ジョナサン・エリアス
Comment & Reviews
Comment
レンタルビデオ店員だった頃、毎日VHSパッケージを目にしていた怪作がまさかの4Kに!
スティーヴン・キング原作の鬼っ子として賛否と共に爆誕した本作。
そのあと驚愕の大逆襲(=長期カルト&フランチャイズ化)を展開するユニバースの偉大な幕開けを体験して欲しい。
コーン教に染まった子供たちの不穏極まりない佇まいと、
果てしなく広がるのに息苦しい閉塞感に満ちた畑がただならぬ恐怖をもたらす。
殺人キッズを率いるアイザック君の異様に大人びた顔と言動は、
他のチャイルドホラーとは一線を画すインパクト。
この地を支配するのは本当に神なのか。それとも彼のカリスマ性なのか。
その境界をギリギリまで曖昧にさせるジョン・フランクリンの演技は今観ても強烈だ。
食っても良し、観ても良し。今年の夏はトウモロコシが支配する。
Review
今日の政治環境の激化と現在の形態において、原作は現実の生活を恐ろしく描写しており、
時代を超えた映画として常にその重要性を保っています。
まさにその時代を反映した映画であるにもかかわらず、
1984 年にフリッツ・キアシュ監督が制作したフォークホラー映画には、
今でも楽しめるところがある。
トウモロコシによって飼育された奇妙な宗教的熱狂を、
時には陳腐なまでに研究したこの作品は、
子供たちによるハロウィン的な混乱の後に大人の秩序を回復するも、
キリスト教篤信地帯に対する都会の不安を掘り下げている。
その時代遅れの外観は、
ホラー映画がかつては
カメラとコーンシロップの入ったバケツだけで
作られていたことを思い出させる。
売れる若いモデル上がりの俳優やコンピューターで生成された特殊効果は使われていなかったのだ。
陰惨で、時折効果的なホラー映画だ。
何も起きないが、ここに存在する空気だけで楽しめるだろう。
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圧巻の56ページ公式パンフレット